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NBAのもうひとつの楽しみ方

How to watch NBA game

ユタジャズの試合会場

先日、上司から、NBA ユタジャズの試合のチケットを頂き、試合を見てきました。今回で、4、5回目になる試合観戦だったので、ちょっと気になっていた事に注目してみました。それは、試合外での観客の楽しませ方です。日本で、バスケットボールの試合を試合会場でみたことはないのですが、とても、カルチャーショックを受け、一試合中で、どれだけのイベントアイテムがあるのかを、メモしてみました。

まず、試合前練習では、選ばれた子供数人が、シュート練習をしているコートのゴール下に立ち、飛んでくるボールを選手に投げ返す役割のボールボーイをしていました。スター選手に実際にボールを投げたり、とても嬉しそうでした。

さらに、練習を見ていると、3、4メートルぐらいの大きさのバルーンが、リモコンで操縦されて頭上を旋回し、そのバルーンから、グッズが観客に落ちてきたりしていました。バルーンには、広告が印刷されています。

Balloon

試合開始セレモニーでも、審判と選手たちのなかに、子供が一人いて、記念撮影を撮っていました。

試合中で、面白かったのは、タイムアウトのときの観客参加型ゲームです。基本的にタイムアウトでは、アナウンスで広告会社名を読み上げるのですが、音声と頭上の大型テレビ画面の会社のロゴを表示するだけでは、面白みに欠けるので、観客にゲームをしてもらい、勝った方が、広告を出している会社のグッズを獲得できるようになっていて、そして同時に、宣伝をすることが、NBAでのタイムアウトの時間の使い方のようです。

この日、行われた最初のゲームは、広告会社名の入ったマークをコートに3つ置いて、そこから、フリースローを決めて、決めただけお金がもらえるというものでした。

タイムアウト中のフリースローゲーム、足下には、広告ロゴ

 

試合が再会し、少ししてから、さらに面白い事が起こりました。ユタジャズのマスコット、ジャズベアー君の登場です。試合中にも関わらず、彼の行う奇想天外な行動に、目が離せません。いきなり、僕たちのすぐ近くに登場し、フォームスプレーガンで、観客にいたずらをしだしました。髪の毛の薄い男性の後頭部に、フォームスプレーを山のように、スプレーして、観客を喜ばしていました。髪の毛の薄い男性や、スキンヘッドの男性だけを狙って、4、5人にいたずらしていましたが、こんなことは、日本では、まず、見る事ができないでしょう。

突然、僕たちのすぐ近くに現れたジャズベアー君

男性の後頭部にフォームスプレーを山のように盛りつけるジャズベアー君 振り返って試合を見ない観客も

ジャズベアー君のいたずらは、とどまる所を知りません。タイムアウトになったとたん、近くにいた男の子を、肩に担ぎ、コートまで、連れて行ってしまいました。そして、タイムアウト中に休んでいる選手や、審判に、無理矢理、ハイタッチ!

試合が始まると、その子供を、再び肩に担ぎ、ヘッドコーチのように、コートのすぐ側を、うろうろしたり、最前列の空いている椅子に座らせて、しばらく試合をみせたり。本当にうらやましい。さすがに、5分ぐらいで、その子供も親の元にかえりたくなったみたいで、親の元に帰されましたが。

その他にも、面白かったのが、あるタイムアウトに出て来た40代、50代のおじさんグループ。普通は、若くてかわいくダンスの上手なチアリーダーがでてくるのですが。しかし、このおじさんグルークのダンスは、なかなかの完成度で、セクシーで、かなり、盛り上がりました。かなり練習したんでしょう。観客に喜んでもらうために、子供をターゲットにしたり、大人をターゲットにしたりとアイデアの豊富さに、驚きました。すべてのイベントアイテムには、広告会社が提供しているのですが、面白過ぎて、広告会社情報を全く覚えていません。

おじさんたちのラインダンス 笑いました!

ハーフタイムショーでは、アイダホから来たチアリーディングチームによる、ショーが行われました。たぶん5歳くらいから、15歳ぐらいの女の子たちの総勢50人ぐらいで、かなり大きなチームで、みんな、一生懸命踊っていました。

子供のチアリーディングチームのハーフタイムショー

後半の盛り上がってきたところでの、タイムアウトでは、より大きな歓声を上げたエリアに向けて、バスケットボールのプレゼント。巨大パチンコで、スタジアム最上段まででも、簡単にバスケットボールを飛ばしていました。たくさん手を振ったり、大声を出し、近くまでボールが飛んできましたが、獲得することは、出来ませんでした。この巨大パチンコには、しっかり、スプライトの広告が印刷されています。

大きな歓声のする方へ、バスケットボールをプレゼントするジャズベアー君たち

最後に紹介するイベントアイテムは驚きです。試合の中盤のタイムアウトのときに、観客のなかから、フリースローゲームに参加する人をひとり選び、試合の終盤のタイムアウトで、いざ、フリースローゲーム。レイアップを2回、フリースローを2回、すべて決めると新品のトヨタがもらえるというゲーム。選ばれてから、実際のゲームをするまで、そのゲーム参加者は、姿をくらませていたので、かなり、予備練習ルームで練習したんでしょう。いざ、ゲームが始まると、あれよあれよとシュートを決め、とうとうすべてのシュートを成功させ、新品のトヨタを獲得!コートを駆け回り、大喜び!

「さあ、商品の登場です」っていうアナウンスの後に出て来たのは、そう、新品のおもちゃのスターウォーズのヨーダ人形。おもちゃのヨーダ、つまり、トイ・ヨーダ、トヨーダ、トヨタ。トヨタの車をもらえない事を察知した、そのゲーム参加者は、怒って、コートを走り去ってしまいました。

むかし、同じ様な事をした企業が、裁判で負けて、本当に、車を買わされたっていう記事を読んだ様な。。。こんなことをしていいんだろうかと、僕も苦笑いでした。

スターウォーズのテーマと共にダースベーダーがおもちゃのヨーダを抱えて登場

ちょっと、トヨータはやり過ぎだと思いますが、タイムアウト毎にいろんなアイデアで観客に楽しんでもらうアイデアの多さにとても驚いた一日となりました。ほかにも、前回、観戦したときにみたイベントで、スクリーンに移ったカップルはかならず、キスをしなければならないゲームは、みんな楽しそうに、参加していました。

試合全体としては、タイムアウトや、ジャズベアー君のちょっかいなど、だいたい5分に一度のペースで、イベントが行われており、飽きさせない間隔でした。子供をターゲットにしたイベントがあったり、大人を楽しませるイベントだったり、バラエティが豊富でした。そして、そのイベントすべてに、広告が絡んでおり、子供から大人まですべての人をターゲットと結びつけて観客を飽きさせないため、いろいろなアイデアがあり、とても勉強になった一日でした。

最後に一つだけ、気づいた事を。アメリカでのレストラン、バー、コンサート、スポーツ観戦に参加するたびに思うのですが、アメリカでは、どんなイベントでも、老若男女のある程度のばらつきがあると思います。日本では、自分がよく行くレストランなどで、周りを見回してみると、だいたい、自分と同年代の客層だったってこと、よくあるんじゃないでしょうか。無意識に、同じような客層の場所を選んでしまっていたのでしょう。楽しい事ならば、年代を超えて、性別を超えて共有できるような人間でいたいと思いながら、NBAを観戦しました。

ちなみに、結果は、ユタジャズの大勝でした。

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