電気配線の管はあらかじめどのパネルにも一定間隔で開けられており、電気配線の図面に合わせてその管をつなぐ様にして配管の準備が行われていきます。管をつなぐ作業は長いドリル、余った鉄筋などを使って行われます。
電気配線を抜き出し易い様にあらかじめ開けられた穴から壁に向けて筋が設けられています。この筋のある方を室内側にする様にSIPsは設置されます。
そして、図面通りに電気配線の管が貫通した所で、壁を組み立て、まずはそこに糸を通します。糸の両端にはどこと何処をつなぐ糸なのかをしっかり明記しておきます。そして、構造作業が全て完了し、屋根が掛かって室内に雨が振り込む心配がなくなった時点で糸をたどって実際の電線へと置換していきます。
今回から構造時作業に関わるときにはヘルメットをかぶりましょう!というごく当たり前の規則を初めて追加しました。これまではヘルメットをかぶって作業する、なんて暑くていや、とか、面倒、とかスタッフ内でも意見が割れていたのですが、現在は自分たち2人で現場のルールを決めてしまえるので、強行判断しました。でも、予想以上に学生達がその安全管理に従ってくれたので嬉しい限りです。
なんだか、真新しい白いヘルメットがたくさんのカリメロ達に見えます。
SIPsの作業はシステム化されています。パネルの両サイド、上下には溝2X4がピタッとハマるサイズで溝が作られており、そこに適切な長さの2X4材を設置することで、強度と接続箇所ができます。その接続部分はボンドと釘で補強を行っていきます。
また、今回はプレカットのSIPsを購入した訳ではないので、あらかじめ窓のハマる部分には開口部を開ける、電線もパネル内に埋め込みになるため、電線を通す場所にもあらかじめ管を貫通させる、などの作業が必要となります。
そして最後の大物搬入、屋根が届きました。発注した量はほんのわずかなのですが、いつも屋根材を運ぶトラックは20M程の大きなトラックでくるので私たちの現場まで運んでもらうことはできません。現場に向かう道路は舗装されておらず、道幅の狭い上に砂地にハマってしまう恐れがあるからです。
でも、こんな所まで運んでくれてありがとうございました!
今回の主構造となる”SIPs Panel (Structual insulated panel)”が現場に到着しました。SIPsとは固い断熱材が壁材にサンドイッチされた状態にされた加工品の壁で断熱性能の良さ、施工のしやすさがウリになっている建築資材です。日本にもある様ですが、アメリカの方がずっと市民権を得ている建築資材でもあります。
約80平米の住宅の外壁、屋根のためのパネルでおよそ80万円、運送費を含むと90万円ほどの価格。
一般的な感覚ではとてもお値打ちなのですが、私たちの予算ではこのパネルだけで1/3以上もの支払いになります。値段に見合う分、断熱性能と、施工スピードを求めていきたいところです。
お天気に恵まれた今日は床の仕上げ作業を一気に行いました。14人もいるとどんどん進みます。高圧洗浄機が使えれば簡単に洗い出すことができるのですが、完全にインフラから隔離されたこのエリア(off-grid area)では、水圧のあるホースが使えないので高圧洗浄機が使えないのです。