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Russian stove ·_· Desert

今回のブログのテーマは、「ロシアンストーブ ·_· 砂漠」

ロシアンストーブと砂漠を繋ぐデザインです。

ロシア出身の学生が、今回の住宅の暖房設備に、熱効率のいいロシアンストーブを提案していました。僕は、ロシアンストーブの存在をこれまで知らなかったので、こんなストーブがあるのかと驚きました。今回のこのサイズは、ロシアでは小さいほう。大きい物になると家ぐらいの大きさのストーブもあるとか。。。

Natural plaster finish

Natural plaster finish

 

これまでのDesignBuildBLUFFでは、ロケットストーブと呼ばれる熱効率のいいストーブが、よく施工されていましたが、スラブの上に直接設置するため、そして、横に長いため、熱が床に逃げてしまい、部屋があまり暖かくならないといった苦情を頂いた事があります。床上げした住宅に設置したプロジェクトのクライアントには大変喜んで頂いたこともあるのですが。サイズの面から話をすると、ロケットストーブは横に長いため、ベンチとして使用する事になると思うのですが、小さい家には向いていないでしょう。

このロシアンストーブはすべて耐火煉瓦で作られています。変わった所は、排気システムです。一番大きな中央ドアを開けて牧をたくさん並べて点火します。一度点火すると、その牧が燃え終わるまでこのドアは開けません。一度の点火で6時間ぐらいは暖房効果があると言われています。排気管は一度床まで落ちて、そこからストーブ中央まで上がり、このストーブの上部内を1周、螺旋して、上部のダクトから排気されます。

実際のロシアンストーブは、装飾されている場合が多いのですが、ローカルなマテリアルを使うという事で、地元の土を使った仕上げにしました。

このストーブは、近くのロシアンストーブ専門施工会社に来て頂いて、施工したのですが、いつくかの問題点が浮かび上がりました。

 

1。デザインビルドのよさ

職人が5日間しか滞在できず、学生に手伝わせるよりも、職人のみで作業しないと、完成できないという懸念から、学生が施工に参加できませんでした。デザインビルドにより、実際に作業すると、準備、施工方法はもちろん、素材についてもより深く学ぶ事ができるのですが、今回は、どの学生もこのストーブについて、深く学ぶ事ができなかったと思います。

2。熱効率

ストーブがどれほど効果があるのかがわからないこと。これまでに施工したストーブも含めて、数値での証明が必要になると思います。温度センサーを使ったモニタリングシステムの導入を考えています。

3。文化

今回のデザインは、ロシアンストーブのデザインをそのまま、ネイティブアメリカンのために施工しました。仕上げは、ローカルな素材を使いましたが、ロシア人がデザインした物が、ネイティブアメリカンに合うのかどうか、もう少し、学生に考えさせてもよかったと思います。

4。職人の質

日本で多くのワークショップに参加したことがあるのですが、日本のどの職人も、道具の手入れをしっかりしています。アメリカの職人はそうではありません。今回、特に気になったのですが、道具があまり手入れされていませんでした。すばらしい建築を作る職人がなにを考えているのか、すばらしい道具からすばらしい建築が生まれるという事を学生に学んでほしかったです。

Mixing hemp fiber into natural plaster

Mixing hemp fiber into natural plaster

インターネットで購入した麻は固まりになっていたので、はさみで切って、捌く作業。このストーブを仕上げるだけの麻を捌くのに5時間以上掛かりました。

 

 

Students ·_· Desert

今年の8月から施工が開始するコロラド大学デンバー校の建築学科の学生が、ブラフを訪れました。

クライアントにデザインを説明

Presentation to the clients

 

今回の学生の目的は、彼らがこの秋期学期でデザインしたプロジェクトをクライアントにプレゼンテーションすることです。このDesignBuildBLUFFのプログラムでは、学生がデザインし施工した住宅をクライアントに無償でプレゼントするのですが、ほぼ毎回、学生や大学がデザインしたい住宅とクライアントが住みたい住宅とが違います。

実際に、砂漠に住んでみないと、どれだけ風が強いのか、砂がどれほど窓やドアから入ってくるのか、水がどれほど重要なのか、夏どれほど暑いのか、冬どれほど寒いのか、クライアントがどれほどメンテナンスに時間をさけるのかが分からないからだと思っています。

学生のデザインには、いかに見た目をよくするかという箇所がたくさんあります。

住宅を無償で提供している事から、クライアントは「ありがとう」といいますが、この住宅が本当に彼らを幸せにしているのかは、長期的にリサーチを続ける必要があると思います。

このプログラムでは、学生達は、一度、現場を見学して、クライアントと一度インタビューするだけで、デザインを始めます。僕たちのミッションの一つは、いかに多くの事を、少ない現場訪問から、学生に学んでもらうようなシステム作りなのだと実感しました。

なので、

学生 ·_· 砂漠

これが、これからの僕たちの大きな課題の一つです!

Students from UCD visited the project by the U of U

Students from UCD visited the project by the U of U

 

 

Discussion of the exterior materials

Discussion of the exterior materials

 

外壁の素材を検討する学生。クライアントに、この木は虫が着くので使いたくないと言われて、アイデアを出し合っています。

Interior finish work

仕上げまであと数日、キッチンキャビネットも運び込まれていよいよ室内の仕上げが本格的に開始されました。

Kitchen Cabinets

Kitchen Cabinets

今年のキッチンキャビネットは家具作りの経験のある学生によるものです。角も綺麗に面が取られ、売り物の様な出来にみんなが賞賛です。

Cooling Duct

Cooling Duct

Setting Facia

Setting Facia

Tile work for bathroom

Tile work for bathroom

数日間の砂嵐などの天候にも押され、ここに来てようやくどの作業も本腰を入れて作業することが出来る様になりました。一応の作業日数は残り3日、その後は様々な雑処理に4日、そして清掃作業、道具メンテナンス等に数日当てて、写真撮影、竣工を迎える予定です。どんどん無くなっていく時間に追われながらの作業に、何人かの学生はプレッシャーを感じている様ですが、まずは安全第一。これは口を酸っぱくして言わなければなりません。

 

 

 

Sidind & Drywall

ここ一週間ほどは、外壁の軒裏作業、室内の石膏ボード仕上げの作業がずっと並行して行われています。なかなか天気が優れず、外は砂荒らし、中はサンド作業によるホコリまみれで、現場の中に快適な場所がありません。。

 

Soffit Team

Soffit Team

Before the paint, it needs clean up with sponge.

Before the paint, it needs clean up the dust with sponge.

Making the texture ceiling.

Making the texture ceiling.

 

 

Spring of Bluff

何だか肌寒い日が多いけど、ブラフにも新緑の時期がやってきました。あっという間に灼熱の夏になるはずだけど、梨やリンゴの木の花を楽しんで小さくお花見しています。

The blossom of pear

The blossom of apple

The blossom of pear

The blossom of pear

 

The Dirt is honor of hard worker?

季節が逆戻りして冬になってしまったかの様な、みぞれまじりの空です。

でもそんな悪天候にも負けず、真っ黒なススにも負けず、学生達はサンド掛けの作業に没頭していました。洋服も顔もススで真っ黒、めちゃくちゃ汚くなって作業していましたが、どうやらそれが頑張った勲章に思える様で、夕飯になっても顔は黒いままにして今日の作業を讃え合っていました。若いな。

sanding in black smoke

sanding in black smoke

一方こちらはシャワーブース。防水仕様のパテ塗りを行っています。こちらはこちらで、手先、洋服をピンク色に染めながら作業をしていました。

Pink-Dot bathroom

Pink-Dot bathroom

私が作業する場合には、如何に汚さずに作業をするか、が一つの大きな作業指針なのですが、学生達はむしろ逆です。喜んで汚している様に見えます。これは若さなのか、国民性なのか。