5,000 MILES ROAD, 6th Day, New Heaven, Connecticut
今回はroad tripなので、都心ではなく車でしか足を延ばさない様なところへもいきました。本日のメインは20世紀の大巨匠の一人、”Lois I. Kahn”です。
デビュー作と遺作が並ぶYale University
Manhattanから大西洋沿いに1時間少し北へあがったNew Heaven, ConnecticutのYale大学には、 “Yale University Art Gallery(1953) & Yale Center for British Art (1974)” の2作品が向かい合って建っています。ただ、デビューといっても当時Kahnは52歳、すでに貫禄があったと思いますが、遺作の方がより各直線に力があって、空間が凛としている感じをうけました。理由としては、遺作の美術館は単独な建物なので、より自由に設計できた。デビュー作のArt Galleryは歴史的な建物との共存が求められたので、バランスを重視したのかもしれません。
行って分かるLois I. Kahn建築の良さ、F.L Wrightとの違い
Kahnの建築は訪れる前に写真や図面で情報を仕入れる段階では、私は実はそこまでその空間にワクワクすることはありません。一方、今回の旅で多く作品を見たF.L Wightの建築では、図面の段階でその装飾や線の量から、すごい建築なんだろうな〜、と想像しできるのです。Kahnの図面は線が単純で、実際の空間もかなり潔いと感じているのですが、その分、現地に行って初めてなぜ彼が巨匠なのかを理解することができると思います。図面で想像するより重厚な存在感があり、それでいて光の使いかたが上手いので軽い印象を持ちます。F.L Wightの建築とはまた違った角度で、日本人好みの作品だと思います。私もスケッチしやすいので、Kahnの建築は好きです。
単純だから誤摩化せないディティール、装飾は陰影で。
素材や出汁の味で勝負する日本料理の様に、シンプルな空間作りだからこそ、目地や柱の接合部などに細かい配慮がみられます。またデビュー作、遺作、ともに階段室の最上部にガラスブロックを使って自然光をうまく使い、陰影で階段室を装飾しているのが素晴らしかったです。ホント、日本人好みだと思います。