Merci, Hugo. Bon voyage!
型枠の移設も終わり、第2セッションの締めくくりとして晴れ渡る空の下コンクリート打設を行いました。
この週末は2年末にフランスで土(版築)の勉強をしているHugo君がわざわざフランスから私たちを訪ねてきてくれて作業まで手伝ってくれました。見学だけではなく、作業に参加できたことを彼はとても喜んでくれましたが、私たちにとても大きな助けとなりました。
Merci, Hugo. Bon voyage.
型枠の移設も終わり、第2セッションの締めくくりとして晴れ渡る空の下コンクリート打設を行いました。
この週末は2年末にフランスで土(版築)の勉強をしているHugo君がわざわざフランスから私たちを訪ねてきてくれて作業まで手伝ってくれました。見学だけではなく、作業に参加できたことを彼はとても喜んでくれましたが、私たちにとても大きな助けとなりました。
Merci, Hugo. Bon voyage.
前回コンクリート壁について書きましたが、今回はその型枠作業をご紹介します。私たちにとってコンクリート構造が他構造よりコストも時間も割高になってしまう大きな原因がこの型枠作業です。
今回は幸いにも型枠用の材料を地元企業さんから貸していただいたのでかなり助かりました。ただ、今更ですが、パネルにはジョイント金具用の穴をいくつもあけてしまったので、返すときに問題にならないか確かめる必要があります。。
今回のコンクリート壁は3層構造で、全体12インチの厚みの壁の真中に断熱材があり、コンクリート壁で断熱材をサンドイッチにしている様になっています。断熱材があることで配筋作業を初め全ての施行し難く、時間が予想以上に掛かってしまっています。断熱材の配置には私は疑問があるものの、コロラド大学のエンジニアがそう決定したからには私たちには従うしかなく、その実現の方法に頭を使うしかありません。
(施行内容)
6”コンクリート壁:鉄筋#3を縦横2’間隔で配置。角部分には90度に曲げた配筋を追加して補強。
3”コンクリート壁:4’間隔で配置していた差筋(L=1’)にそってchiken wireを設置。
2つのコンクリート壁のジョイント:U字型の鉄筋を作り、その鉄筋が断熱材を貫通する様に配置して、両壁の鉄筋、メッシュをそこに結束する。フォームに開けた穴が大きいので断熱材を注入して隙間を塞ぐ。(ヒートブリッジ防止)
窓枠周辺:鉄筋#4を4重配置。90度に鉄筋を曲げた部分は斜め筋を追加して補強する。(窓枠部分の打設時には、雨仕舞のため小口に角度をつけて仕上げる。)
ジョインと金具を縦横16”の間隔で設置。その金具に合わせて型枠パネルを設置。金具を固定して準備完了!
一週間ぶりの現場は様変わりしていました。前セッションで終了したコンクリート基礎の上に、コンクリート壁の型枠、鉄筋作業が施され、型枠が取り外された部分からは仕上げを確認することも出来るようになっていました。
作業内容
基礎立ち上がり部分、セメント(灰色ポルトランド):砂:砂利=1:3:3
ピンクコンクリート壁部分、セメント(灰色3、白5):砂(site sand 1、wash sand 1):砂利(細)=1:3:3、顔料
本心で言えば、セメントも顔料も使わず、自然の素材で壁を構成したいというのが私の望みでしたが、今回のデザインでそれを実現するには、時間も労力も数倍必要となる版築壁を採用する必要があり、スケジュールと法規に規制があったため断念して上記の配合となりました。結果的にはDesignBuildBLUFF史上初のコンクリート構造を経験することになり、学ぶことが多くありいいのですが、過程をしっかり記録して今後も推奨すべき工法なのか判断していきたいと思います。
さて、待ちに待った週末。お父さんが日本から私たちを訪ねてきてくれました。大した持てなしは出来ないものの、私たちの日常を味わってもらい、そして世界的に有名なスピードレースの観戦という非日常的も紹介することが出来ました。あっという間の数日間でしたがゆっくり話すことができ、本当にうれしい週末でした。
家への長〜い15時間ドライブの途中ですが、せっかくなのでより道をしながら帰ることにしました。その中でもTucson南部にある”Mission San Xavier del Bac” は見応えがありました。
300年ほど前の17世紀後半に建てられたこの教会は当時はメキシコ領だったこともあり、装飾や資料にはスペイン語のものばかりで、サボテンのランドスケープを初め、アメリカ色ではなく、完全なメキシカンスタイルを見ることが出来ました。日本の美を考えさせられる左官講習の後だったこともあり、「漆喰の白」ではなく、ぎらつく太陽の下で目を向けられないほどの「純白」に文化の違いを感じました。ちなみに内部装飾は極彩色であらゆるところがペイントされており、外部とはかなりの対比があるのも見所でした。
土を使った左官だけでなく、漆喰講習も有りました。漆喰の勉強の中で面白かったのは「素材」について。
現代では既製品を買ってくるのが一般的ですが、例えば中に漆喰に混ぜる「糊」であれば、海に囲まれた日本であれば、海藻である角又から糊を採取して、サボテンに囲まれたメキシコであれば、サボテンの粘性のある樹液から糊を採取していました。
漆喰の主材料である石灰であれば、海産物を食べる日本ではゴミとなる貝殻を焼いて石灰を作り、石灰岩がとれる場所ではそこから石灰を作る。
土地ごとで手に入れられるものを材料にして何かを作っていた。そんな当たり前のことを忘れかけていて、[その材料はどこで買うの?]とつい考えてしまう自分に気づいてきまいました。
ということで、今日は左官職人の小林さんが、それぞれ角又を糊として作った漆喰、サボテンを糊として作った漆喰を教えてくれました。
実践もさせて頂きました。サボテンを使った方は少し鏝滑りが悪く、素人でもその違いが分かるほどでした!面白い!