A dense fog lay all around.
この週末は先週までの晴天続きとは打って変って、久々と雨やら霧やらで怪しげな雰囲気を醸し出していました。来週のコンクリ打設はどうなるのやら。。
この週末は先週までの晴天続きとは打って変って、久々と雨やら霧やらで怪しげな雰囲気を醸し出していました。来週のコンクリ打設はどうなるのやら。。
今春のプロジェクトの最初の2週間が終わりました。例年初めはみんな勝手が分かっていない分、スタッフである私たちがルールを決めリードする部分が多くあるのでスムーズに事がすすみます。ただ、それはプロジェクトが進む中で各学生が個々人で作業をする様になることでどんどんカオス化していき、時に行き当たりばったりの日々が続く事もありました。
さて、今年はどうそれを防ぐか。つたない英語なりにも、今年は私たち日本人2人が現場をリードすることができます。できるだけ効率化すべきところは効率化して、いいものつくりの環境を作る様に仕向けるため、今日はこんな事を考えました。
①できるだけあらゆる作業で担当者を決め、責任を持たせつつも管理しやすい様にする。ミーティングでは各学生にその作業のための人、道具、資材が十分にあるか確認してもらう。
②今までは学生の失敗した後にそれを事後処理することが多かったので、時間もコストもストレス余計に掛かってしまった。できるたけ未然に失敗を防げる様に予習、スタッフとしての専門性を高める時間を作る。
なんだか上手く行きそうな気がしてきます。
今年から木曜の夜は交代で”Night School”と称して誰かが自分の得意なこと、話したいことをお題にみんなに簡単な勉強会を開催することにしました。もちろんお題は建築に関わることである必要は無く、なんでもありです。
第一回目である先週は私たちが昨年末に言ったアラバマ南部への旅をみんなにスライドしながらそこで何を見て、何を学んだのかをみんなに話した所だったのですが、今晩はロンドンッ子のマシューがワインについて話してくれました。Night School のお題としてはもってこいです。
まずはワインのテースティングの基本となる4項目の話、1 Sweetness(dry,off dry, medium dry, medium, sweet), 2 Acidity 酸味 (acidic,crisp/bright,medium,low,buttery) 3 Tannnin (low,medium, high) 4 Body (thin, light,medium,full, heavy/very full) それぞれの地域(土質や気候)、ブドウの木の種類などで違いがでることを教えてもらいました。
引き続きはお待ちかねのワイン試飲。みんなで少しづつワインを分けて、空気と良く混ぜながらどんなにおいがして、どんな味を感じたのかを感じてみました。私は今までこんなに味や匂いを読み取ろうとしてお酒をのんだことがありませんでした。そのためとっても注意深く飲んでみると、なにかしら近い味をイメージできることに驚きました! 例えば、廉価版の赤ワインの中には確実に「トマト」を感じることが出来たのです!毎晩の夜の楽しみが一つ増えました。
また、ワインを語るマシュー君の顔付きはいつも違っていて、その他の顔にも驚きました。こういった趣味、雑学は海外の学生はみんな何かしら感心できる程の何かをもっているのも素敵な文化だと思います。
毎回お世話になっている私たちの大きなサポーター、Big-D (地元ゼネコン)からの寄付資材が到着しました。私たちがBluffで自力建設プログラムを初めてから毎年の様に主構造材となる材木はほぼすべてこちらから寄付を戴いています。
車の足もとに見える40フィート程の長い材料は屋根材です。私たちも牽引式のトレーラは持っているもののそれでは20フィートが限界なので、このような長物を現場まで運んでもらえるだけでもとても助かります。(それも6時間も離れた砂漠まで。。)
これらの材料見積もりはもちろん着工前に図面から拾って行いますが、その時点ではまだ図面の完成度が低いため、適切な発注が出来ない部分も多々あります。それでも、自分たちでは運搬するのが困難だと思えるものだけは最低限でもしっかり材料を見積もりする必要があります。
今回の寄付総額は、材料費7,000ドル相当+運賃400ドル相当です。本当に感謝、感謝です!
現場作業初日が始まりました。初日だけあって、本日は現場への訪問者が多いです。夜にはクライアントの家族も参加しての夕食となり、「着工」という気分のする一日でした。
初日の作業手順
1今回は現場初日をセメント袋、鉄筋の材料の搬入日。通常より数日早い搬入でしたが、鉄筋を搬入しておくと手あまりができた時に鉄筋準備が出来るのでいい方法と思う。
2おおよその建物の大きさ、方向を確認して建物の角に杭を打つ。その間に一部の学生は木杭の準備(GL高低差が大きい場合は鉄筋杭では高さが足りない部分がでてくるため)
3水糸の支えとなる杭を用意。
4基準となる建物の角を一つ決め、そこを結ぶ水糸を2本張り直角にする。(5:4:3の長さ比を使って直角を決める。)水糸は平面だけではなく、断面の基準にもなるので高さも水平をトランジットではかりながらしっかり出す。
5直角をなす水糸を増やしていきながら対角線も確認する。全ての角の位置出しを終了させる。
用意したもの
:道具一式を搬入。
:杭を初め様々な所で使えそうな以前のプロジェクトからの余り木材、材料を保管する木製パレット、ビニールシート
:ゴミ箱、燃やすゴミのドラム
新春プロジェクト、2013 spring U of U students が始まりました。3週間ぶりに帰るBluffの砂漠は日本とのギャップか、トランジットで少しだけゆっくりとしたWaikikiとのギャップか、スノーシーズンを迎えて賑わっていたParkCityとのギャップなのか、なんだか慣れない場所に来たような気分ではじまりました。
というのも、様々なことがあって、DesignBuildBLUFFの主体が非営利団体ではなく、ユタ大学が主導権を握ることになったため、私たちも大学組織の一員として働くことになり、一緒に働くスタッフにも変化があったからかもしれません。
学生に教える内容、現場が目指すものには大きな違いはありませんが、大規模な引き継ぎが必要なこともあって、運営準備は不十分なままでの見切りスタートとなりました。ただ、今回の学生の人数は10人、前回と比べて半数以下ということもあって、予想以上にやりやすい初日となりました。
[2013 Spring, DesignBuildBLUFFの私の目標]
1「去年の経験」を「継続できるノウハウ」のレベルにまで引き上げルティーン作業の効率化を徹底させる。
2効率化によって生まれる時間の中でクリエイティブな時間を増やす。
3ストレスが軽減され、活き活きと働く。
4その姿が一緒に働く学生にいい影響となる。
という流れを目指そうと思っています。効率化を図るために単純作業を減らすとすれば、ここでは学生に如何に仕事を振るのかが重要になりそうです。そのためにはどんな仕事が自分で判断を下すべきなのか、どんな作業が学生に判断を任せるか、その選択と決断が重要になると思っています。
ただ、ここは教育の場、どの無駄まで省いてもいいのか、その判断はまだ私には難しいです。。。
[今日の作業内容]
8:00~10:00 Reading Student HandBook
10:00~11:00Property Tour/What we expect to all chores. How to use all HVAC items
11:00~12:00 Decide Chore leader, team leader
13:00~15:00 Clean up the material sheds and Re-set the material
15:30~18:00 Trash Run & Check Hospital Place
19:00~21:00 Dinner & Meeting
[準備したもの]
HandBookの更新 、添付書類の更新
現場作業が終了した途端、このBluffにも雪の時期がやってきました。しばらく雪が続きそうです。
昨日まで学生がたくさんいて賑やかだったのが、学生も去り、周りが雪に囲まれたことで、驚くほどまわりが静かになりました。
最後の夜は一足早い X’mas party で締めました。でも、ただのX’mas Party ではなく、テーマは “Ugly Sweater X’mas Party” ! そんなテーマがあるとは知りませんでしたが、これはこちらではよくやるパーティーの様で、みんなとびっきりのダサイ格好でパーティーに参加するのです。
そして、X’masと言えばプレゼント交換です。これも面白い趣向で、White Elephant と呼ばれています。各プレゼントは千円程度のものなのですが、もらってよこ
ついに最終日がやってきました。とてつもなく長く感じる3ヶ月の様で、またとても早い3ヶ月でした。無事故で完成、みんな本当にお疲れ様。そしておめでとう!
最後の朝礼となった朝はスタッフから一言づつ、学生達にコメントをしました。みんなの苦労を労うのはもちろん大切ですが、私はそれと同時に、率直な感想も混ぜた言葉を掛けました。(私の知る限り、アメリカではこんな時にはべた褒め大会になります。)
延べ70日程の共同生活、しかも砂漠で、そして住宅一棟の完成、パッと考えただけでも過酷な日々が想像できるのですが、そんな中で経験したことは、成功体験もあれば、失敗体験も相当なのです。今はすべてを手放しで褒めはしないけど、ここでの経験を活かしてくれたのなら、そのときには手放しで褒めます。という思いを伝えました。
また、もう一言、いいデザイナーになるために、常に美しいものを考え続ける様にして欲しい、と伝えました。私も鍛錬中なのですが、著名なデザイナーはみんなこの習慣をもっていると思います。学生の場合には、美しさの話しをする前にあまりにも、居室空間、現場、道具を雑に扱うので、私が彼らに良くいう言葉、”Beautifle things never come from messy places” という言葉をプレゼントしておきました。
大型の低気圧が迫ってきた朝。今日は現場のための土取りから一日がスタートしました。寒さに凍えて気分は低かったのですが、雲が降りた山の尾根の雄大な景色をみることができ、得をした気分になりました。
完成を目前に控え、現場でみんなで火とナバホブレッドを囲んでパーティーを行いました。学生が作ったデッキ部分のFIRE PITに火をくべて、みんなで残りわずかになった時間を惜しみつつのお祝いです。
火も沈み、みんなのお腹がすいた頃に今度はナバホ家庭料理、ナバホブレッドパーティーが始まりました。パン生地を作る要領で小麦粉を捏ね、手の平を使って生地を延ばしていきます。ナバホの皆さんがやるのをみると、とってもとっても簡単そうなのですが、もちろん、私たちはそんな簡単には行きません。。

Lorraine(client) taught us “How to make Navajo Taco”. We struggled to make it, but she made so first!
自分で延ばした生地をその場で揚げて、かぶりつきます。寒いこの時期に食べる熱々の揚げパンはとてもおいしいものでした。作るのも楽しいし、食べてもおいしいし、ついつい食べ過ぎてしまいました。
私たちにはもちろん、楽しい夜となりましたが、今晩はクライアント家族の皆さんもとても楽しんでいるようでした。ナバホの歌や食をみんなで共有できたことが、残り少なくなった作業への糧となりそうです。
今週は来年以降のクライアントを決めるために、2組のナバホ家族に会いました。写真の女性はそのうちのお一人、60代のご夫婦です。
実は私たちは彼女の弟家族にすでに住宅を一棟建ており、それで彼女はこのプログラムを知り連絡を戴いた次第です。ただ、同じ一族にいくつも住宅を建ててしまうと、それは贔屓と見なされ、嫉妬の対象にもなりかねません。慎重にクライアントを決定する必要があるので、なぜ住宅を必要としているのかを伺いました。
彼女の主な住宅を必要とする理由は、簡潔にいうと「介護」のようでした。80代のご両親がご健在で、長女として親の面倒をみる必要が出てきた。ただ、それには手狭なので新たに住宅を必要としているのです。ナバホの家族体系は私たちの体系とは少し異なり、夫婦であってもそれぞれ別に住んでいたり、結婚をしていない夫婦間に子供がいることも一般的です。そのため、彼女の場合には、父親の面倒は他の兄弟がみるけど、母親は自分が世話をする、未婚の子供に代わって、祖父、祖母にあたる人物が孫の面倒もみる必要があり、住宅が手狭だという話しの様です。
昨今の日本人家族が抱える介護等とは状況は異なり、家族の人数が多い分、面倒をみなければならない家族が多いということに彼女は悩んでいた様ですが、個人主義のアメリカではなかなか聞かない介護の話しを伺ったことに少し驚きつつ、ナバホ家族の持つ問題を少し知った気がしました。
一年後、来年の秋のプロジェクトの為のクライアント探しが始まりました。クライアントの決定方法については以前にもご紹介したので、今日はクライアントに最初にお願いしなければいけないこと、理解を求めたいことを書き留めておきたいと思います。
①コミュニケーション
これは住宅供給プロジェクトでもありますが、建築学生への教育プログラムです。ああなたの現場が教育の現場にもなります。白人学生の文化とナバホ族の文化に違いはあるかも知れませんが、学生とコミュニケーションをとってもらい、一緒に住宅を作り上げていく様な気持ちが必要となります。
②人目
学生のデザインしたものを建てるので、一般的な他のナバホの住宅より奇抜なものになる可能性があります。その分、好意でも、悪意でも、人目を惹くことも考えられます。また完成した後は、このプログラムの支援者への報告として、今後の学生たちへの参考として、あなたの住宅を見るために、年に数回人が訪れたり、写真をとることになると思います。
③修理
プロ集団で住宅を建設するわけではありません。ディティール等において満足のいくものでないかもしれませんが、機能する限りはその内容で了承していただくことになります。また無料で住宅をプレゼントしますが、完成後は基本的にアフターメンテナンスは行いません。引き渡し後のメンテナンス等は自己負担になりますが、ご了承ください。
これまでは、このような説明を事前に行わず、「住宅が無料で手に入る」と、いい部分ばかりをクライアントが考えていたので、 ①〜③の何かが欠けてしまい問題になったり、気持ちよい関係が崩れてしまうことがたびたびあったのです。物事を説明するときには、良い面だけではなく、悪い面も説明する必要があることを学びました。
浴室などの水回りの仕上げはタデラクト、と呼ばれる石灰の仕上げで行うことにしました。この仕上げは私達2人にとっては初挑戦。機会を作ってくれた学生の期待に応えるためにも、多くの見本を作って実験してきました。さて結果は?
結果は予想以上の美しい仕上げとなりました。現場から採取した砂で色をつけ、人の手で手間を掛けて出来た仕上がりはとても美しく、参加した学生はもちろん、他の学生達も見にきたり、クライアントも喜んでくれました。
常日頃から、自然素材の美しさを感じてほしい、購入したものより自分たちで作ってほしい、と伝えてきたつもりなので、今回の左官仕上げによって、学生達が少しでも私たちの気持ちを感じてくれたら、それが私の大きな役目だと思っています。

1. We plastered the mix with lime(1) and sand(1), as the first layer on the mortal base coat. (as much as thin.)
モルタル下地はあまり平にしすぎない方がおもしろい模様ができる。
今回は石灰と砂を半分づつ混ぜ、それを出来るだけ薄く塗っていく。2〜3層塗る。
金鏝で表面が少し乾く程に押さる。表面が固くなり、プラスチックを当てられる様になって来たら少し強めに磨く様に押さえる。
プラスチックで十分押さえることが出来るほどの表面強度になったら、その上に石けん水をブラシで塗り、石で石鹸水を塗り込む様に磨いていく。この段階でまだ細かい凹凸があれば、それを修正してもよし。
そんな方法で、美しい大理石のような仕上げが完了しました。みんなつるつるに仕上がった壁に大満足です。
遅くまで作業をがんばった分、お腹はぺこぺこになります。夕食は2人ずつの学生が交代で当番となり、みんなの分を調理します。今日はZとJasonの”Pie Night”。机の上に美しく大量のパイが並ぶ光景に疲れも忘れてみんな大喜びです!
毎日3回ある食事ですが、やっぱり食事は大事だな、と感じます。体力仕事のここでの生活ではもちろんですが、精神的にも食事によって、みんなの気分が上下するので、疎かにはできません。
いよいよ残りも一週間を切り、追い込みが激しくなってきました。現場に電灯が持ち込まれてからは、毎日遅くまで作業が続きます。
ここ数日はインテリアの石膏仕上げが主な作業になっています。天井から壁まで、みんながぺたぺたやっているので、あちこち汚れているのが気になりますが、みんな壁に向かって集中しています。
ここまで怪我なくやってきたので、どうにかこのまま無事故で終わりたいというのがスタッフの願いです。追い込み作業はうれしいものの、ブレーキを掛けることも忘れずに注意しなければなりません。
黙々と作業を行う私たちの元にうれしい訪問が、クライアントの家族がお昼時にランチを持ってきてくれました。メニューは「ナバホタコ」。ナバホ族の定番ランチで、小麦粉でタコスを作り、それを揚げてサンドイッチにするのです。
週末の土曜の疲れもたまっていた時にこんな予期せぬ差し入れを戴いて、おかげでとても幸せに午後の作業を続けることが出来ました。感謝の気持ちは大切だなあとしみじみ感じました。
夕日の太陽が沈む直前、現在作業中のSkow Houseの外に出てみると、先日塗り終えた壁がオレンジ色に輝いていました。がんばって塗っただけに、きれいなその壁にうれしさがこみ上げます。
この壁はBluffでとれる赤土に石灰と砂、藁を混ぜて塗りました。石灰が入っている分、普段は全体的にピンク色の壁なのですが、夕日のなかではきれいなオレンジに光り輝いていて驚きました。これからは、「なんでこの仕上げにしたの?」とだれかに聞かれたら、「夕日になったらわかるよ〜」と答えていこうと思います。
今期最後のセッションを行うため再びブラフへ。ほんの一週間Bluffから離れているだけでも、戻ってくるとその空の美しさに驚きます。
地平線が見渡せるだけに、特に朝日と夕日は絶景です。
何にもない荒野の砂漠でも、どんなに不便でも、ナバホの人たちはみんなこの地に住みたがります。都心の生活を知ったナバホの人からも土地に帰りたい、そんな言葉を聞きます。差別の問題があるのかな、とも思いますが、ここで育ったからにはこの朝日や夕日の美しさが忘れられないのだろうな、と思います。
